フィッシュアンドチップス@イギリス
イギリスに対して大した予備知識がない人でも恐らくフィッシュアンドチップス( fish & chips )は聞いたことがあるだろう。 ワタシも長いことそうだったから。
で、既にソレがどんなものかを知ってしまった人は置いといて、実物を知らない人ってどんなものを想像します? ワタシの場合は何故か日本のおつまみによくある(けど一度も食べたいなんて思ったことのない)小女子やピーナッツなんかが混ざり合った小袋がいつも頭に浮かんでいた。 なので、イギリス留学経験のある友人が「フィッシュアンドチップスがぁ~」なんて話してるのを聞いても、勝手にソレを頭に浮かべながら「まずそうだから興味ない」なんてそっけなく答えてました。
そんなワタシですが、ヤツと知り合い、行き来するちょっと前には「イギリスではどうやらチップス(Chips)とは、他の国で言うところのフレンチフライ、日本で言うところのフライドポテトを意味するらしい。 …で、fish は揚げた魚らしい」というコトは知った。
基本的にはイングランド料理なのかな…? とは言えスコットランドでもどこにでもある。 テイクアウト(イギリス英語ではてテイクアウェイ take away と言います)メインで店によっては売り場の脇にいくつかテーブルがあったりカウンターがあったりして、その場で食べる事が出来る所もある。 メニューはイモ(チップス=フレンチフライ)+魚…だけに留まらず、ソーセージやら何やらもあるが、魚以外の食材も全て「丸揚げ」なのが共通点の模様。 スコットランドだとハギスがソーセージ状になってるものの丸揚げも置いてあって、元相方のお父さんはそれがお気に入り。
で、ヤツと知り合ってから初めてイギリスに行った際、「いい加減、一度は食っとくべきでしょ」と思い、ヤツにリクエストしてみた。 どうやらヤツはあまり魚料理は好きではないのだが、「あぁ、そこにも一軒あるから買って来て食うか」と、一緒に出かけてお持ち帰りしてきた。
取り敢えず買いに行ったその場でウィンドウ越しに姿は見たものの、ん~魚は白身で思いの他でかくて、揚がり具合はそんなに茶色くもなく、一見、日本のスーパーのお惣菜コーナーにたまにある巨大イカの天ぷらみたいな風貌。 白身魚は結構好きだしな。 ええ、店頭で既に見てはいたんですが、家に戻り、お持ち帰りバッグをいそいそと開け(初めて食べるんだからそれなりに楽しみ)、なーんかそっけない感じの紙箱を開ける。
何だかマズそう(笑)。 いや、店頭で見てたよ。 素ん晴しい!と思わないまでも「いいんじゃない?」なんて思ったのに、買って来て目の前にある箱の中は、これでもか!と敷き詰められたチップス(イモ)の上に力なくべったりと横たわる魚。 なんだか素っ気無さ通り越して「これって食べ物…っていうか飼料?エサ?」って感じ。 っていうか、これから食べようっていう食べ物でなくって、食後の残り物のドギーバッグじゃないの? これ。 世界通念(大袈裟)としてもイギリスの食文化の貧困さは結構バカにされがちだが、味覚以前に、こんな体裁のおもちかえりパッケージが国を代表する(?)食べ物でまかり通るんだから、これはもう、何を言われても文句は言えないだろう、と思った。
気を取り直して食べる。 食べてる間中この見た目のまずさが気分を盛り下げるけど、食べる。 味は軽く塩味がついてるくらい。 これにあちらでは定番のモルトビネガーをびしゃびしゃになるくらいかけて食べるといい感じ。 でもその後何ヶ所かで食べてみて正直、この店は外れだったかな。 そんな、残念ながら超悪印象なフィッシュアンドチップスデビューでした。
実は本来の本拠地(?)イングランドで食べたのはこの1回だけなんですが、その後食べた中ではスコットランド南西部のヤツの現住所にエディンバラから戻る途中にある Biggar という町で誰もが期待もせずにぶらっと入ったチップス屋はバカんまでした。 油もくどすぎず、でもからっと揚がってて、尚且つ中はふっくらしっとり…。 チップス屋にしては珍しく、簡素ではあったけど売り場とは別間できちんとレストランの空間になっていて、落ち着いた感じでよかったです。 味に関しては当り外れがある、とはよく聞きますが、美味かろうが不味かろうが、お持ち帰りはどっこいどっこいで、「目で楽しむ」食事にはならないなぁ…。 かといって店で食べてもぱっとしない事の方が多いかも(笑)。 単にワタシがビンボーくさい店にばっかり行ってるからかな。