心 by 東京事変
生まれてしまった恥じらいを今日
私は何度溺れたとして泳ぐことを選んだんだって
from 心 by 東京事変
椎名林檎嬢率いる東京事変。 長いことほとんど邦楽を聴かなくなっていたワタシが久しぶりにハマった(てる)のが椎名林檎。
一般にメジャーな曲以外をはじめて聴いた時に、学生時代の太宰治を読み耽った頃に似た何とも言えないニオイを感じた。
横文字の氾濫する現代の音楽シーン(に限らないのだけど)で彼女の言葉って、本来の日本語をとても綺麗に操り、また、時に滅茶苦茶に愚弄してる、そんな感じがする。 でも何ていうのかな、一見愚弄した感のある表現の時ですら、その言葉の裏側にある本質の美しさ、みたいなのも感じられるから不快どころか心地よい。 旧字や当て字も多用しまくってるけど古さどころか新しさすら滲み出てくる。
…なんてエラそうなコト書いてみたけど何よりワタシの心を揺さぶるのは、詩─歌詞─っていうとても凝縮した中で物凄く深いコトを、しかも饒舌に、真っ向勝負ってカンジで伝え挑んで来る彼女のセンス。 何ていうか好きとか嫌い、を超えてすげぇ、って思う。
そもそもワタシはオンガクの趣味は、基本的には異様なまでの雑食ながら、一般的にカテゴライズするトコロのブラックミュージック(国産含まず)という枠組みに入るジャンルを(一応今でも)最も愛してるので、彼女の楽曲はジャンル的に飛びつく種類のものではないのだが、彼女の歌詞の中には時に今流行のニホンゴラッパーなど及ばない程(って言うと言いすぎかな? 日本語ラップ・ヒップホップシーンも大分成長してるしな)美しい韻を踏んで「遊んでる」面もある。
な訳でワタシの中では彼女は優れたラッパーでもあったりする。
(まぁ、そもそも林檎嬢曰く「ロックだとか何だとかそんな分類下らない」らしいですが。)
こいつは東京事変として新装開店した後の2枚目のシングル。
遭難の泥沼感も好き、ダイナマイトの軽さも好き、でもワタシのお気に入りはやっぱり心。
彼女の曲って結構崖っぷちな絶望感を見せつつも、這いつくばってでもなりふり構わずでも立ち上がろうっていう強さを持った曲が多い気がする。
ハマってると言っても若い頃と違って、もはやアーティストのバックグラウンドとかにはあまり興味を示さないので彼女の生い立ちなんて知らないけど、彼女の強さも「単に強い」強さではなく、痛みを知ってる人が持ってる強さなんじゃないかな…なんて勝手に想像してみる。
余談ですが、なんと誕生日ともうひとつ(ヒミツ)が彼女と同じだと最近になって知った。 今までの長い人生で自分と同じ誕生日の人って二人くらいしか出遭ったことがない。 その二人(+自分)ともすこぶるつきの(良く言って)個性派。 でもってもう1つ「個性派」の烙印を押されるあるコト(ヒミツ)まで同じとは…! そんな訳で親近感も倍増(笑)。
…とは言え方や多才、方や無能 ヽ(`Д´)ノウワァァァン
っていうか、今日は Audioscrobbler についてエントリ2つも下書きしたんだけど、一昨日辺りに Audioscrobbler サイドで深刻なデータベース移行エラーをやらかしたせいで、今日紹介しても仕方なさそげ、という訳でお蔵入り。 ぷんすか。
あちらの状態が復調した様子が確認できたらアップします。